
私は令和5年10月より埼玉教区宗務所長を拝命、前任木本清玄師の後任として教区業務を引き継ぎました。よろしくお願い申し上げます。
埼玉教区HPにご訪問頂き誠にありがとうございます。このHPでは、天台宗や埼玉教区行事の様子など、なるべく時間を置かずお伝えできるようにして参ります。
また、一般社会に開かれた教区・寺院を目指し天台宗の教えの普及と諸団体の情報交換を行えるように取り組んで参りたいと思います。
さて、祖師先徳鑚仰大法会の約10年間が昨年3月に結願を迎え、根本中堂の大改修工事を残し、無事幕を下ろしました。この間、人々の心の安寧と争いのない平和な世界の実現という伝教大師の祈りを広く伝える努力がなされてきました。しかし、一方でこの10年は新型コロナウイルス、終わらぬ世界各地の戦禍、温暖化がもたらす自然災害など『深い懊悩に沈む世相』(座主猊下)でもあり、それは今も続いています。今後も、大師の祈りを実現すべく、『協働と調和の力で慈悲の心を育む』(座主猊下)不断の努力が求められています。教区内寺院の皆様、檀信徒の皆様と共に、一隅運動をはじめ、様々な機会を大切にしてこの努力を続けたいと思います。
また、伝教大師は、能く行い能く言うは国の宝なりと、安寧と平和の実現に尽くす国の宝となる人材の育成を柱とされました。そして、我が志を述べよ(後世に伝えてほしい)と求められ、努めよ努めよとのお言葉も遺されています。教区でも、一人一人自らが学び、学び合う機会や場作りを少しでも充実させていきたいと思います。教区研修所では独自の研修会の他、学びを広げるため大正大学の公開講座も研修会の一つとして取り入れています。また、檀信徒の中で、ご意思のある方々に伝道師となっていただき、共に、お大師の教えを伝えようとの事業も進めています。
檀信徒の皆様の期待にこたえられるお寺づくりを共に考えて参りたいと思います。重ねてご協力をお願い申し上げます。
天台宗埼玉教区宗務所長 杜 多 堯 慶
天台宗は延暦25(806)年1月26日、伝教大師最澄さまを宗祖とし、比叡山に一乗止観院を根本道場として開かれました。最澄さま亡きあと、「延暦寺」の寺額を勅賜され、比叡山延暦寺と呼ばれるようになりました。
爾来、慈覚大師円仁さま、慈恵大師良源さま、恵心僧都源信さま等の先徳によって、堂塔伽藍が整備され、「不滅の法灯」の如くに、法華・密教・禅・戒・念仏等の教えが1200年の永きに亘り伝えられてまいりました。
それらの教えは「一隅を照らす」人材を育成し、この世に浄土を顕現するために永い仏教の歴史の中で作り守られてきたものです。
現在、天台宗は、比叡山延暦寺を総本山とし、滋賀県坂本の天台宗務庁のもと、24教区、1支所、4法流から成り、寺院数はおよそ3400ヶ寺を擁します。
また、埼玉教区は、さいたま市西区指扇(妙光寺)に教区宗務所を置き、県内を9部に組織し全162ヶ寺で構成しています。